体感値だけではなく、数値としてもどれだけ差があるか。第1世代Surface/Surface ProにもWindows 8.1(8.1 RT)を適用し、2つのJavaScriptベンチマークテストで比較してみよう。
テストは「SunSpider 1.0.2」と「Octane 2.0」で実施。SunSpiderはブラウザにてJavaScriptの実行速度を計測できるもので、数年前まではPC用Webブラウザの高速化競争にてよく利用されていた。OctaneはGoogleがリリースするJavaScriptベンチマークテストで、複数の異なるテストを組み合わせて総合的にパフォーマンスを測定できる。Windows 8.1(RT 8.1)はModern UI版とデスクトップUI版、2種類のInternet Explorer 11が存在するので、一応、2パターン計測した。
SunSpiderはベンチマークテストが終了するまでの時間を計るため「値が小さいほうが高速」。一方、Octaneは「スコアが高い方が高速」であることを示す。純粋にJavaScriptの実行速度を計測するベンチはCPUパワーに依存する傾向があり、Tegra 3(クアッドコアARM Cortex-A9/1.3GHz)とTegra 4(クアッドコアARM Cortex-A15/1.7GHz)の違いにおいてもかなり大きな差があることが分かる。
Surface ProとSurface Pro 2は、基本的な傾向こそ同じだが差は少なかった。第1世代のSurface Proは第3世代のCore i5-3317U(1.7GHz/最大2.6GHz)、Surface Pro 2は第4世代のCore i5-4200U(1.6GHz/最大2.3GHz)。動作周波数の値としてはCore i5-3317Uの方が高いのだが、Core i5-4200Uは内蔵GPUのグラフィックス性能がかなり高まったため、結果としてややよい値となった感じだ。
なお、Surface Pro 2はWindows 8の「Connected Standby」(スリープ中でも最低限の通信を行い、ライブタイルや新着メールの受信、カレンダーの更新などを実施する機能。スリープ復帰時には最新状態に更新されていることで省電力性と利便性を両立する)には対応せず、省電力なモバイル運用シーンにおいてはとても残念な点。とはいえより省電力なHaswell世代のシステムに刷新したことで、バッテリー動作時間はSurface Proの4時間から6時間強に伸びた(なお、発売直後にリリースされた新ファームウェアの適用により、さらに2割ほど増加)。10時間クラスがあたり前になってきた昨今のUltrabook/2in1デバイス比では少し頼りないが……モバイル利用においてもそこそこの実力を発揮してくれるだろう。
2つの旧モデルから乗り換えた筆者の感想としては、Surfaceから「Surface 2」への刷新ポイントが際だってよいぞと感じている。
Windows RTの制約を受け入れられるならば「ちょっとしたOfficeでの文書作成も含め、ある程度のWindows PC的な本格作業もできるタブレット」として、Surface 2は十分に使える製品に仕上がったと評価する。
活用の一例として、別途用意してあるメインPC(Proエディション以上のWindows搭載PC)へリモートデスクトップ接続する(RT向けにもWindowsストアにマイクロソフト純正の「リモートデスクトップ」アプリが存在する)活用方法で、Windows PCとしてやや非力なことや従来のWindows系ソフトウェアが使えないことをそこそこカバーできる。周辺機器サポートの広さも含め、この点はWindowsシステムならではのiOS/Android搭載タブレットと比べたメリットになるはずだ。
一方のSurface Pro 2については、第1世代ユーザーが買い換えるメリットはあまりないのだが、初Surfaceとして、持ち運べて家でも使えるWindows 8.1搭載PC兼Windowsタブレットとして導入したいのであれば別だ。仕様も機能もバランスよく工夫されているうえ、Haswell化によりバッテリー動作時間が増え、さらに内蔵グラフィックスも高速化された恩恵があるため、かなり多くのユーザー層をカバーできる特長がある。例えば、PCやタブレットに特別なこだわりがない一般ユーザーの知人に「どれがいい?」と聞かれたら、候補の1つとして挙げるであろうモデルだ。
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