こんな中、つい先日にちょっとした“ハッキング”技が公開され話題になっている。Betanewsが5月26日に公開した「How to continue getting free security updates for Windows XP -- until 2019」という記事によれば、Windows XPのあるレジストリキーを書き換えることで、最大2019年までアップデートの提供を受け続けることが可能になるかもしれない……というものだ。
前述のように、Windows XPと同じコンポーネントを持ちながらサポート期間の長いOSがあり、特定のレジストリを書き換えることで、まだサポートが終了していないOSのアップデートをXPでもWindows Update経由で取得できるという。
該当するのは「Windows Embedded Industry(旧名:Windows Embedded POSReady 2009)」で、同OSは2019年4月9日までサポート期間がありながら、そのベースになっているのはWindows XP SP3だ。Betanewsではスクリーンショットとともに、すでにサポートが終了したはずのWindows XPで「Embedded POSReady 2009」向けのアップデートをWindows Update経由で取得できる様子を紹介している。
理屈としては分かるが、本来はWindows XP向けに提供されているわけではないアップデートを無理やり適用しているわけで、将来的にどのような不具合が発生するのか不明な部分が大きい。もちろん、不具合が発生しても自己責任であり、Microsoftのサポートは得られない。
同件を受けて、Microsoftの広報は「本来Windows EmbeddedとWindows Server 2003ユーザー向けに提供されるアップデートをWindows XPに適用しても、その効果は完全ではない」とコメントし、リスクの存在を警告している(ZDNetの記事から)。
これに関しては筆者も同意見だ。本来Windows XP上でテストされていないアップデートを適用する不確実な手段であり、決しておすすめできない。この裏ワザによって「まだアップデートが存在する」とは考えずに、Windows XPのユーザーは何らかの移行プランを早めに検討するのが上策だろう。
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