Windows Phoneの「マルチタスク」は“8.1”でどうなったのか?鈴木淳也の「まとめて覚える! Windows 8.1 Update」(2/2 ページ)

» 2014年05月12日 14時30分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]
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それで、Windows Phone 8.1のアプリでは何ができるのか?

Windows Phone 8.1(WinRT)における代表的なトリガー

 右の表では、Windows Phone 8.1のマルチタスク対応アプリにおける代表的な「トリガー」の種類を紹介している。

 「システムイベント」と呼ばれる、いわゆるシステムの動作環境が変化したときに引かれるトリガーのほか、指定時間で呼び出されるトリガーなどが含まれる。

 これにより、例えば「オフライン状態からオンライン状態へWindows Phone搭載デバイスが移行したときに最新コンテンツを読み込んで更新」といった動作を実現できる。Bluetooth LE(Bluetooth Low Energy、BLE)デバイスと連動可能なトリガーもあり、携帯型フィットネス機器の通知を受けてデータ同期を行ったり、デバイス同士が一定距離を離れると警告音を鳴らしたり、といったことが可能だ。

Geofencingのような仕組みも実装できる

 通知サービスと連動した「Geofencing(ジオフェンシング)」のような仕組みも実装できる。ジオフェンシングとは、地図上にあらかじめ設定したエリアからユーザーが出る(あるいは侵入する)と、通知が行われるサービスだ。危険地帯への侵入を警告したり、あるいは監視対象の人物が特定エリアを離れたタイミングで通知を行ったりと、位置情報と連動したサービスを実装できる。

 前述のBLEとの組み合わせでは、流行のBeaconが設置された店舗前を通過すると、このビーコン信号がトリガーとなってWindows Phone搭載デバイスにインストールされたWindowsストアアプリが反応し、画面上に店舗の関連情報をポップアップしてくるなど(Windowsではこの種のポップアップを「Toaster」と呼んでいる)、いろいろ応用できる。

 本来はWinRTとともにWindows Phone 8.1に導入された各種トリガーや機能だが、そのままSilverlight 8.1でも対応アプリの開発が可能だ。Silverlight 8.1は、旧バージョンのSilverlight 8.0の上位互換にあたるが、前述のように一部未対応の機能もある。

 また、Windows Phone 7/8ではプッシュ通知のために「Microsoft Push Notifications(MPN)」という仕組みを用いていたが、Windows Phone 8.1ではWindows 8/8.1と同じ「Windows Notification Services(WNS)」という仕組みに統一され、プッシュ通知の受信にはこちらを利用している。WNSは通知処理の部分が独立したタスクとして動作しており、実行効率や消費電力効率が向上している点が特徴だ。

 ただ、Windows Phone 8.1でも引き続き旧バージョン向けアプリが動作可能になっており、これらアプリはMPNのほうを利用している。この場合、WNSを介してMPNが引き続き利用可能となっており、旧バージョンとの互換性が保たれている。

WinRTの導入により、Silverlight 8.1でこれら機能をアプリから利用可能になった(画像=左)。旧バージョンとの互換性のため、Microsoft Push Notifications(MPN)を用いるアプリであってもWindows Notification Services(WNS)を通じて従来の仕組みが利用可能になっている(画像=右)

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