プリインストールされるOSは、32ビット版のWindows 7 Home Premiumだ。下位モデルのFMV-BIBLO NW/G75には64ビット版のリカバリーディスクが付属しており、32ビット版に代えて64ビット版を利用できるのだが、最上位モデルの本製品は32ビット版のみのサポートとなる。おそらくテレビチューナーのドライバかタッチスクエア関連のソフトウェアが64ビットに未対応であるためだと思われる。
ハードウェアの基本システムは、インテルの新世代CPUのCore iシリーズに対応したプラットフォームにリニューアルしている。CPUはCore i5-430Mで、基本動作クロックは2.26GHzだが、Intel Turbo Boost Technologyによって、最大2.53GHzで動作する。Hyper-Threadingに対応しており、2コアで4スレッドを同時実行することにより、動画エンコーダなどのマルチスレッドに最適化されたプログラムも高速に処理できる。
チップセットはIntel HM55 Expressを採用する。Core i5-430Mに統合されたGPU機能の出力に対応しているが、本機では外部GPUとしてNVIDIA GeForce GT 335M(グラフィックスメモリは1Gバイト)を搭載している。72個のシェーダプロセッサを内蔵しており、3Dゲームも特別に負荷の高いタイトル以外であれば十分にプレイ可能だ。GPGPU技術のCUDAにも対応しており、CUDA対応アプリケーションで動画のエンコードやビデオ編集などが高速に行えるメリットもある。
メインメモリはPC3-8500 SO-DIMMに対応し、標準で4Gバイト(2Gバイト×2)を搭載している。データストレージは2.5インチのHDD(5400rpm)を採用しており、容量は500Gバイトだ。2基のメモリスロット(出荷時に空きはなし)とHDDベイには底面から容易にアクセスできる。光学ドライブとしては、前面向かって右側にBD-REドライブを内蔵しており、価格も手ごろになってきたBlu-ray Discタイトルを大きな液晶ディスプレイと迫力のサウンドで楽しめる環境が整っている。
また、地上デジタル放送に対応したテレビチューナーも内蔵済みだ。テレビ番組の視聴/録画ソフトウェアは、Windows 7 Home Premium付属のWindows Media Centerを利用する。デジタル3波対応ではなく、かつシングルチューナーなので裏番組の録画などは行えないが、付属の赤外線リモコンを使った操作は快適だ。なお、視聴/録画の際にソフトウェアのライセンス認証が必要なため、インターネット接続が必須である点に注意したい。
通信機能は1000BASE-T対応の有線LANと、IEEE802.11b/g/n準拠の無線LANを備える。本体装備の端子類は主に右側面と背面にまとめられており、4基のUSB 2.0ポート、eSATA、IEEE1394a、SDHC対応SDメモリーカード/メモリースティックPRO対応のメモリカードスロット、ExpressCard(/54と/34対応)スロット、HDMI出力、光デジタル音声出力(丸型)など充実した内容だ。ただ、左側面にUSB 2.0ポートがないのは若干不便で、右側面に縦に並ぶUSB 2.0ポートも間隔が狭くて相互に干渉しやすそうな点は気になる。また、現時点では実用上問題ないとはいえ、SDメモリーカードスロットが最新のSDXC規格に対応しておらず、USB 3.0のサポートが見送られているのは少々惜しい。
入力環境に目を移すと、キーボードにはテンキーが用意される。主要キーのピッチは約19×約18.5ミリとほぼフルサイズで、キーストロークも3ミリと十分な深さを確保している。Enterキーとテンキーとの間隔は4ミリほどとあまり大きく空いてはいないが、Enterキー自身のサイズが大きめなため、ミスタイプしやすいというほどではないだろう。
奥行き80ミリと十分な広さがあるパームレストは、ベトつかないスッキリとした仕上げが好印象だ。キーボードユニットの固定はしっかりしており、強めにタイプしてもたわみなどは感じない。キースイッチの反発は若干強めの印象だ。
キーボードの手前には2ボタン式のタッチパッドを装備する。パッドサイズは79×47ミリと十分な大きさがあり、滑りもよく、クリックボタンの感触も悪くない。左右ボタンの間にある指紋センサーでは縦スクロール操作が可能になっている。また、パッドにはシナプティクス製の多機能ドライバが導入されており、ユーティリティで機能を有効にすれば、パッドの右辺/下辺を利用した1本指でのスクロール機能や、マルチタッチジェスチャーによるつまみズームや回転、2本指ではじく(ページ送りや写真送りなど)などの機能が使える。また、USB接続のチルトホイール付きレーザーマウスも標準で付属する。タッチパッドが操作しにくいと感じた場合はこちらを使えばよいだろう。
ACアダプタはサイズが56(幅)×148(奥行き)×38(厚さ)ミリと大柄で、重量も約450グラムある。一方、バッテリーの容量は14.4ボルト 5200mAhで、公称の駆動時間は約2.1時間と短いが、持ち運んで利用するモデルではないだけに、どちらもあまり気にならないだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.