「FMV-BIBLO NW」は、富士通のコンシューマー向けノートPC「FMV-BIBLO」シリーズの頂点に立つAV機能重視のハイエンドモデルだ。2010年1月の春モデルでフルモデルチェンジを果たし、液晶ディスプレイを大型化してフルHD表示に対応するなど、外観も中身もゴージャスに生まれ変わった。特に最上位モデルの「FMV-BIBLO NW/G90T」は、豪華な装備で注目度が高い。今回はそのパフォーマンスや使用感をレビューしよう。
まず目を引くのは、ゴージャスという形容がピッタリとハマる大型のボディだ。液晶ディスプレイを前モデルの16型ワイドから18.4型ワイドへ拡大したことにともない、ボディも大型化した。具体的なサイズは452(幅)×315(奥行き)×43.3〜51.5(厚さ)ミリで、重量は約4.5キロと、従来モデルの385(幅)×276.5(奥行き)×36.9〜49.4(厚さ)ミリ/約3.4キロから大幅にスケールアップしている。
さらに、この大型ボディを利用した新たな付加価値として、キーボード奥に高音域の出力を受け持つツイーターを備えた大型スピーカー、ボディ底面には低音域を担うサブウーファーを内蔵し、3ウェイ5スピーカーシステムをノートPCで実現している。この5スピーカーシステムが奏でるサウンドはやはり一般のノートPCとは別次元の奥行き感があるうえにクリアで、映画や音楽を観賞する楽しみを倍増してくれる。
キーボードの左右奥に大胆な傾斜を付け、ツイーター付きのスピーカーをフィーチャーしたデザインのインパクトも強烈だ。大型の液晶ディスプレイ、テンキー付きのフルサイズキーボード、広大なメタリックブルーのパームレストととともに、フラッグシップを名乗るにふさわしい雰囲気を演出している。
前述した通り、液晶ディスプレイは従来の16型ワイドから18.4型ワイドへ大型化し、新たにLEDバックライトを採用した。画面解像度も1366×768ドットからフルHDの1920×1080ドットになり、迫力がグッと増している。
Blu-ray Discの映画タイトルなどフルHDで収録されているコンテンツを本来の画質で視聴できるほか、1024×768ドットの2.6倍以上という広大な表示面積はWebページなら横に2つ並べて無理なく閲覧可能だし、ワープロやPDFならA4見開きも実寸表示より小さいが、文字が読める程度に表示できる。クリエイティブ系アプリケーションのパレットなどを置くのにも都合がよい。
表示品質も良好で、光沢仕上げされたパネルは明るく鮮やかな発色だ。低反射処理により、照明などの映り込みも比較的抑えられている。上下の視野角は狭いが、左右の視野角はノートPCの液晶としては広めで見やすい。
キーボードの奥には、先代モデルから引き継ぐ「タッチスクエア」と呼ぶ4型ワイドのタッチセンサー付きサブ液晶ディスプレイも搭載している。こちらの画面解像度は480×272ドットのままで、Windows上からはメイン画面の下に置かれたセカンダリのディスプレイとして認識されているのも同様だ。
デフォルトの「ホームモード」ではショートカットアイコンが並べて表示されており、アイコンに触れるとアプリケーションが起動する。並べるアイコンはカスタマイズ可能で、最大15個まで登録できる。このほか、写真のスライドショーを表示する「フォトビューワモード」、地上デジタル放送を表示する「コンパクトテレビモード」、音楽再生用の操作パネルを表示する「ミュージックモード」、電子辞書をサブ画面内で使える「電子辞書モード」などが用意され、「Menu」ボタンで切り替えられる。また、DVDやBlu-ray Discなどのメディア再生時には自動的に各モードの操作パネルに切り替わる。
基本的な機能は前モデルとほぼ同じだが、サブ液晶ディスプレイの左右にホームモードに戻るボタンや音量調整ボタンをタッチセンサーボタンとして独立させたことで、使い勝手がグッとよくなった。いつでもすぐにホームモードに戻れるようになったほか、操作パネル画面に音量調整ボタンを表示させる必要がなくなり、画面がスッキリして操作がしやすい。
ただし、メイン液晶が低反射処理されているのに対し、このサブ液晶は表面に光沢仕上げのクリアパネルがあるため照明などが強く映り込み、指紋なども目立つ点は少し気になった。
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