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» 2014年05月22日 16時09分 UPDATE

ルータープリンスの「5分で知る最近のモバイル通信&ルータ事情」:auの「キャリアアグリゲーション」とドコモ新料金プランのインパクトは? (1/2)

今回はKDDIが開始した下り最大150Mbpsの「キャリアアグリゲーション」や、ドコモが6月1日から提供する「カケホーダイ&パケあえる」を取り上げる。SIM関連では、ソネットが導入したプリペイドSIMの自動販売機や、ビックカメラの格安SIM+スマホに注目した。

[島田純,ITmedia]

 LTEの異なる周波数帯に同時接続し、通信速度を改善する「キャリアアグリゲーション」をKDDIが開始した。ドコモも2014年度内に提供することを告知。通信速度のさらなる高速化と安定化に期待ができそうだ。このほか、ドコモは6月1日に複数のドコモ回線でデータ通信量をシェアできる新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」を発表。一方、MVNOによる格安データSIMもサービス内容が拡充しており、こちらからも目が離せない。

「ルータープリンスの「5分で知る最近のモバイル通信&ルータ事情」」バックナンバー

KDDIがキャリアアグリゲーションを開始、ドコモの2014年度中に提供予定

photo キャリアアグリゲーション対応の基地局は2015年3月末に約2万局にまで増える予定だ

 KDDIは「LTE-Advanced」の技術であるキャリアアグリゲーションを日本で初めて導入し、下り最大150Mbpsのサービスを開始した。同社は2013年8月から、LTEの2.1GHz帯を利用した下り最大150Mbps対応サービスを一部のエリアにて提供しているが、キャリアアグリゲーションの導入によって、下り最大150Mbpsの対応エリアが拡大する。

 auのキャリアアグリゲーションは、2.1GHz帯の10MHz幅と、800MHz帯の10MHz幅の2つの帯域を重ねて利用することで、下り最大150Mbpsの通信速度を実現する。すでに提供中の2.1GHz帯の20MHz幅による基地局とあわせて、下り最大150Mbpsに対応する基地局数は2015年3月末までに20,000局へと拡大予定だ。キャリアアグリゲーションは、auの2014年夏モデルから対応し、最初に発売された「GALAXY S5 SCL23」は、ソフトウェアアップデートにより対応した(→KDDI、「GALAXY S5 SCL23」のソフトウェアアップデートでキャリアアグリゲーションとWiMAX 2+に対応)。

photo auのキャリアアグリゲーション対応スマートフォン。左から「isai FL LGL24」「Xperia ZL2 SOL25」「GALAXY S5 SCL23」「AQUOS SERIE SHL25」「URBANO L03」。ほかに「Xperia Z2 Tablet SOT21」も対応する

 2014年3月期の決算発表会でドコモの加藤薫社長は、2014年度中にキャリアアグリゲーションを導入することを発表した(→下り最大225Mbps、ドコモが「LTE-Advanced」を2014年度中に開始)。ドコモのキャリアアグリゲーションでは、下り最大225Mbpsの高速化を予定しており、auの下り最大150Mbpsはもちろん、UQコミュニケーションズがWiMAX 2+で2014年中に展開を予定している下り最大220Mbpsよりも高速になる見込みだ。

 ドコモはすでに、東名阪エリアにて1.7GHz帯の20MHz幅を使った下り最大150Mbps対応サービスを提供開始している。理論上の通信速度ではauのキャリアアグリゲーションと同じだが、イー・アクセスが2013年9月に行った実証実験では、KDDIが採用するキャリアアグリゲーションと同様の10MHz幅+10MHz幅よりも、連続した20MHz幅の帯域を使った方が高速という結果が発表されている(→イー・アクセス、1.7GHz帯 20MHz幅のLTE実証実験で下り291Mbpsを記録)。

 LTE対応に対応する基地局数は2015年3月末までに9万5300局まで増加し、そのうち約40%にあたる4万局を下り最大100Mbps以上の速度に対応する計画だ。2014年3月末時点でLTEの対応基地局数が5万5300局、下り最大100Mbps以上に対応する基地局が3500局とわずか6%程度だったので、下り最大100Mbps以上に対応する基地局を1年間で一気に10倍以上に拡大する計画だ。

photo LTE基地局は、2015年3月末までに9万5300局にまで増加する予定

ドコモ、新料金ではパケット通信量のシェアに対応

 ドコモは2014年6月1日から新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」を提供する。国内初となる音声通話の完全定額をiモード端末なら月額2200円、スマートフォンは月額2700円(いずれも税別)で提供する。

 新料金プランで発表された「シェアパック」では、同一の家族内で最大10回線のデータ通信量を分け合って使用できる。パケットパックの定額料金は10Gバイトで9500円(各種割引前)からとなっており、家族で使用中のドコモの回線が多い場合は、データ通信料の値下げも可能になる。

パケットパック定額料(月額、1グループごと)※税別
プラン名 利用可能データ量 シェア 料金
1人向け データSパック 2Gバイト 1人でシェア可能 3500円
データMパック 5Gバイト 5000円
家族向け シェアパック10 10Gバイト 家族で10回線までシェア可能 9500円
シェアパック15 15Gバイト 1万2500円
シェアパック20 20Gバイト 1万6000円
シェアパック30 30Gバイト 2万2500円
らくらくスマートフォン向け らくらくパック 200Mバイト 不可 2000円

 個人向けのデータ通信オプションは、通信量が2Gバイトまでの「データSパック」(月額3500円)と、5Gバイトまでの「データMパック」(月額5000円)が提供される(いずれも税別)。音声回線と同一名義でデータ通信回線を利用する場合は、データ通信回線で「シェアオプション」を契約し「2台目プラス」を適用すると、音声回線とデータ通信回線でパケット通信量をシェアできる。

 新料金プランでは、音声通話の完全定額とデータ通信量のシェアのほか、25歳以下の若者向けに通信料を割引したうえで、通信量がボーナスとして毎月1Gバイト付与される「U25応援割」や、長期契約者向けにシェアパックの定額料金が最大で毎月2000円割引される「ずっとドコモ割」が提供される。これらは、若者とドコモの長期契約者に向けた期間限定のキャンペーンではなく、恒常的に提供されるものだ。

 モバイルWi-Fiルーター向けの料金としては「データプラン」をモバイルWi-Fiルータで利用した際の基本使用料が1200円(2年契約時、税別)で、シェアオプションの料金と合わせても、1700円(税別)となり、データ通信を行う回線が増えても、基本料金部分での負担は従来の料金プランと比べて小さくなる。

 ただし、ドコモのMVNOでサービスを提供している「OCN モバイル ONE」では、1契約で使えるSIMカードを追加する「容量シェアSIM」を、月額450円(税別)で提供していることを考えると、ドコモの新料金プランのデータ通信向けプランの「基本使用料」とは、何に対する対価なのだろう、と考えてしまう。

 新料金プランの発表直後は、新しいシェアパックの料金が割高に感じたものの、同居家族を合わせて合計2人という筆者のパターンでも、新料金プランの方が通信料を抑えられることが分かったので、新料金プランへの変更を予定している。新料金プランは5月15日から申込みを受け付けており、6月1日から提供される。

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