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「杉山淳一の +R Style」関連の最新 ニュース・レビュー・解説 記事 まとめ

最新記事一覧

JR東日本は3月5日、「オフピーク定期券」のサービス拡充と値下げを発表した。割引率が約10%から約15%になり、ポイントサービスも拡充される。すでに20万人の利用者がいるが、報道によると予想を下回っており、値下げでテコ入れするらしい。値引きすれば売れるのか。

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栃木県宇都宮市と芳賀町にまたがるLRT「ライトライン」が好調だ。路面電車としては75年ぶりの新規開業で、開業から5カ月で予想の1.2倍の約190万人が利用した。4月1日のダイヤ改正で所要時間短縮、通勤通学時間帯の増便、最混雑時間帯の快速運転を実施の予定で、宇都宮駅西口以西の延伸計画も動き出す。

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JR東海が2023年12月、鉄道車両向け燃料電池の模擬走行試験を公開した。鉄道の脱炭素の多くが燃料電池方式で、水素エンジンは鉄道業界では初耳。JR東海は、この水素エンジンをi Laboと開発するという。i Laboとはどんな会社か、さらに水素エンジンの仕組みと可能性などを取材した。

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2013年に世界文化遺産に登録された富士山。登録時に指摘された課題の解決策のひとつとして、山梨県はLRT方式による「富士登山鉄道構想」を推進している。対して富士吉田市は電気バスを推している。それぞれのメリット・デメリット、そして観光地として、世界遺産としての富士山について考えてみたい。

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JR東海が12月18日、鉄道車両向け燃料電池の模擬走行試験を報道公開した。燃料は水素で大気中の酸素と反応して発電する。燃料電池は水だけが出て二酸化炭素などは発生しないため、脱炭素動力の切り札ともされる。水素エネルギーへのJR4社の取り組みを紹介し、鉄道にとっての「水素」を考えてみたい。

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JRや大手私鉄では、すでに交通系ICカードが普及・定着したにもかかわらず、QRコードやクレジットカードのタッチ決済が導入されつつある。交通系ICカードで十分なはずが、なぜQRコードやクレジットカードタッチ乗車にも対応するのか。これからどうなっていくかを考えてみたい。

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インターネット予約のおかげで、新幹線の移動はとても便利になった。交通系ICカードと予約情報をひも付ければきっぷは不要。しかし便利なのは移動が新幹線で完結する場合だけで、在来線を乗り継いだり、一筆書き経路では窓口がないとお手上げだ。ところがその窓口が激減している。

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JR東日本が中央線快速電車に導入するグリーン車を、2024年度末の導入に向けて報道公開した。グリーン車は日本の鉄道の上級座席だが、なぜ上級座席があるのか。中央線快速電車のグリーン車導入を、大手私鉄の通勤用着席サービス列車と並べた報道もあったけれど、経営施策としては意味合いが違う。

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2023年9月26日、東急電鉄と小田急電鉄の中古車両を西武鉄道に譲渡すると、3社連名で発表した。今回は日本の鉄道史上極めて珍しい事例で、鉄道事業経営の面からも興味深い。そしてこの西武鉄道発案の電車売買は、結果として3社にとって利点のある提案だった。

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京急電鉄とJR東日本が連名で品川駅周辺の開発計画を発表した。京急電鉄の地平プラットホーム化で生まれる上部空間にビルや低層デッキができる。これで品川駅周辺のまちづくりプランがそろった。そして品川駅は今後、リニア中央新幹線、東京メトロ南北線分岐線と、交通結節点としてもさらに便利になる。

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東京・日比谷の「後藤・安田記念東京都市研究所」で、100年前の地下鉄整備検討資料が見つかった。9月22日まで、同研究所がある市政会館で展示されている。今回は、この資料などをもとに「東京の地下鉄年表」を作成し、複数の計画案を「現在の地図上に路線図」として描いてみた。

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東京都市圏も大阪都市圏も鉄道新線計画が多く、そのほとんどが通勤路線だ。東京の周辺都市は、鉄道の発達とともに「東京通勤圏」として発展してきた。しかし近年の鉄道構想は「県都通勤圏」の充実にあるようだ。神奈川県、埼玉県、茨城県、栃木県の県都アクセス路線構想を俯瞰(ふかん)してみた。

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京阪電鉄中之島線は、大阪市の中之島地区を東西に貫く約3キロメートルの地下路線だ。大阪中心部の東西交通と、中之島西部地区再開発の期待を受けて建設されたが、その期待に十分に応えられずに今日に至る。しかし、今度こそ使命を果たせるかもしれない。

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6月2日、JR東日本「羽田アクセス線(仮称)」の起工式が行われた。宇都宮線・高崎線・常磐線方面から羽田空港への直行が実現する。報道では毎時4往復・1日72本運行とされ、稼働時間は単純計算で9時間。短すぎる。筆者は「成田エクスプレス」と同様、特急専用路線にするつもりではないかと予想する。

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6月2日の午後から3日の午前、東海道新幹線が運休となった。3日午前中には、筆者が予約した「のぞみ25号」があったが、みどりの窓口できっぷを買っていたことが後の後悔につながる。最終的には5時間遅れて出雲市に到着したが、今回の体験と、JR東海の対処、乗客がすべき対応などを紹介したい。

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JR東日本とJR西日本は5月9日、連名で「新幹線の自動運転について技術協力します」と発表した。JR東海は翌日の深夜から未明にかけて、自動運転の報道公開と試乗会を開催した。JR東日本、JR西日本、JR東海東海はこれまで、自動運転の試験や実験を行ってきた。しかし、各社で考え方が異なる。

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東急と東急バスが、3月に多摩田園都市エリアで自動運転バスの実証実験を行った。2回目の実験で、今回は新たなルート。一般試乗客を募り、LINEでの予約システムの実験も行われた。安心・安全を強化するため、車内外の遠隔監視システムの運用実験も行われたが、サービス提供にはまだ課題がある。

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「江ノ電」は、神奈川県の藤沢市と鎌倉市にまたがって走る電車だ。名物の1つに「12分ダイヤ」があり、70年以上も変わらず使われてきた。しかし2023年3月18日のダイヤ改正で、その伝統が終わった。江ノ電は14分間隔になった。伝統が終わった背景と、14分間隔になった理由を紹介する。

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前回、ドイツ発祥の公共交通施策「運輸連合」と熊本県における路線バス「共同経営推進室」を紹介した。その後、熊本県はMaaSアプリ「my route」のサービスを開始すると発表。熊本市が先行したけれども、時を置かず他の都市でも同様の計画が立ち上がっていた。

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国土交通省の「交通政策審議会 交通体系分科会 地域公共交通部会」は1月17日、「中間とりまとめ(素案)」を公開した。「関係者で合意した再構築方針に基づき、鉄道の維持と利便性確保」とあり、地方ローカル鉄道の維持に消極的な国も、地方ローカル鉄道を完全否定しているわけではないとわかる。

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12月中旬、日本共産党は提言「全国の鉄道網を維持・活性化し、未来に引き継ぐために」を発表した。鉄道ファンとしてはとても心強い話だが、内容では「活性化」に触れていない。残せば地域が活性化すると考えているなら無責任だ。問われるべきは「鉄道を維持したらどういう未来が待っているか」なのだ。

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11月26日のダイヤ改正で、スカイライナーのうち青砥駅停車列車が新鎌ヶ谷駅にも停車することになった。かつてスカイライナーの京成上野駅発車時刻は毎時00分、20分、40分だったが、青砥駅に停車するため2020年に一部の発車時刻が3分繰り上がった。しかし青砥駅停車は2つの意味で問題がある。

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豊橋鉄道の電車やバスを利用したデジタルスタンプラリー「テクテク豊橋ブラ散歩」が2023年2月28日まで開催中だ。豊橋鉄道の観光集客と、豊橋市の公共交通利用推進に貢献するイベントという位置づけだが、実はフリーきっぷからMaaSへの進化のステップでもある。

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東京都で新線計画が進んでいる。22年だけでも東京メトロや多摩都市モノレールなどの延伸で、事業許可や計画策定がされた。そして東京都にまだある沿線の悲願の1つが葛飾区の「新金線旅客化計画」だ。新金線は貨物専用線で、沿線住民は貨物走行のない時間帯に旅客列車の運行を望んでいる。

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大井川鐵道が、蒸気機関車を完全修復し、本線を走らせるために、1億円のクラウドファンディングを開始した。近年、鉄道事業者による車両の動態保存を目的としたプロジェクトが増えている。この仕組みを使って、既存の保存車両の修繕プロジェクトをつくれないだろうか。

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東急と東急バスが9月13日〜15日に多摩田園都市の住宅街で「自動運転モビリティの実証実験」を実施した。実験コースは横浜市青葉区すすき野付近で、反時計回りに4つの信号機付き交差点を巡って戻る。使用車両は8人乗りの小型バス。この小さな車両が選ばれた理由から、課題が見える。

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8月23日、西九州新幹線の特急券が発売された。開業日9月23日の上りと下りの一番列車は10秒、二番列車も1分半で完売したという。福岡県と長崎県は、西九州新幹線のフル規格を佐賀県内でも実現したいだろう。しかし佐賀県がいらないというフル規格新幹線を押しつける必要はない。

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福島県の会津若松駅と新潟県の小出駅を結ぶJR東日本の只見線を、奥会津の風景とともに年間約300日、30年間以上も撮影し続けたのが星賢孝氏だ。氏の主演する映画『霧幻鉄道 只見線を300日撮る男』の全国展開が始まる。映画の魅力と只見線のこれからを、星氏、監督の安孫子亘氏に聞いた(後編)。

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福島県の会津若松駅と新潟県の小出駅を結ぶJR東日本の只見線を、奥会津の風景とともに年間約300日、30年間以上も撮影し続けたのが星賢孝氏だ。氏の主演する映画『霧幻鉄道 只見線を300日撮る男』の全国展開が始まる。映画の魅力と只見線のこれからを、星氏、監督の安孫子亘氏に聞いた(前編)。

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参議院選挙が始まった。125議席に対して545人が立候補し、公示は6月22日、投開票は7月10日。赤字ローカル線廃止、新幹線建設、鉄道事業者経営危機、モーダルシフトなど、鉄道のみならず交通分野は問題山積だ。545人の立候補者のうち、何人が交通問題を公約に明記しているか。

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武雄温泉〜長崎間を結ぶ西九州新幹線の時刻表が発表された。鉄道事業では、線路、駅、車両というハード面と同じくらい、利用者の使いやすさや需要を考慮して決定される「ダイヤ」というソフト面も重要だ。ダイヤを見れば、地域の特性や事業者がその路線に期待することが見えてくる。

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「九州新幹線西九州ルート」の新鳥栖〜武雄温泉間の着工の見通しが立たない。理由の1つが「佐賀県の負担金問題」だ。佐賀県は在来線で不満はなく、フル規格の費用負担は見合わない。経済学のゲーム理論によれば、3者が最も合意しやすい負担額は「佐賀県と国の負担減、長崎県の追加負担あり」と試算された。

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鉄道ファンにとって最高の「借景」が楽しめるトレインビュールーム。名が付く前は、線路からの騒音などで不人気とされ、積極的に案内されない部屋だった。しかし鉄道ファンには滞在型リゾートとなり得る。トレインシミュレーターや鉄道ジオラマなど、ファンにうれしい設備をセットにした宿泊プランも出てきた。

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高級クルーズトレインの先駆者「ななつ星in九州」と北海道を巡る「THE ROYAL EXPRESS 〜HOKKAIDO CRUISE TRAIN〜」に新コースが設定された。どちらも国内観光需要の盛り上がりに向けた対応だ。しかし定員を減らして三密を避けつつ、運行とサービスを維持するには顧客単価を上げる必要がある。

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地方ローカル線は、従前からの過疎化と少子化に加えて、疫病感染対策の長期化で危機的状況にある。特に輸送密度2000人未満の線区が課題とされるが、そもそも民間企業が赤字事業から撤退できないという枠組みがおかしい。公共交通は応益主義であるべきだ。そこで存廃問題で使われる「輸送密度」について考える。

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1月31日に西九州新幹線の並行在来線、2月3日に北海道新幹線の並行在来線と、並行在来線の処遇に関する報道が相次いだ。並行在来線とは整備新幹線に平行する在来線のうち、JRが不要と切り捨てた区間だ。切り捨てられるほどなので、地元の人々の利用が少なく生活路線としての存続は難しい。それでも鉄道を残す方法はあるのだろうか。

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国土交通省は2021年12月24日、全国鉄道駅のバリアフリー化を加速すると発表した。都市部では鉄道運賃にバリアフリー化費用を加算できる制度を作る。地方部では鉄道駅のバリアフリー設備の整備について、費用の補助率を最大3分の1から2分1のに増やす。「バリアフリー加算運賃」はすべての人に利点がある。

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2021年12月25日、徳島県と高知県を結ぶ「阿佐海岸鉄道」で、鉄道と道路を直通できるDMV(デュアル・モード・ビークル)の運行が開始された。旅客用としては世界初の実用化で、国内外から多くの乗りもの好きが訪れるだろう。しかし観光地になるためには、まだまだやるべきこともたくさんあると感じた。

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鉄道需要は回復傾向にある。緊急事態宣言終了後の鉄道の混雑は、筆者も体感しているが、変異型オミクロン株は予断を許さない状況だ。それでも鉄道業界の決定事項として、「西九州新幹線開業」「JR只見線全線再開」「新型車両導入」「減便ダイヤ改正」がある。これらの行方と、鉄道の国内需要について考えてみたい。

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JR東海といえば「東海道新幹線を運行する会社」「リニア中央新幹線を建設する会社」というイメージが強い。報道も新幹線絡みが多い。しかしほかのJR旅客会社と同様に在来線も運行している。そして「新幹線ばかり優遇して、在来線の取り組みは弱い」という声もある。本当だろうか。

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西九州新幹線開業、北陸新幹線敦賀延伸の開業時期が近づいている。そこで今回は、新幹線基本計画路線の現在の動きをまとめてみた。新幹線の構想は各県にあるが、計画は「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」として告示されている。これと費用便益比、各地のロビー活動の現状などから、今後を占ってみたい。

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京王電鉄京王線で発生した傷害放火事件は記憶に新しいが、犯人の動機などは社会学、心理学の範疇(はんちゅう)で鉄道側としてはなんともしがたい。ただし、鉄道については「防犯」と「防災」の議論が起きた。ホームドアなどの関連する各種施設や機器とその運用、これまでの法令等を見ながら、課題や今後のあり方を考える。

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JR北海道の釧網本線が全通90周年を迎えた。記念行事の一つとして、地図塗りつぶしゲーム「テクテクライフ」を使ったデジタルスタンプラリーが開催。全国からゲームのファンが来訪するなど、この取り組みが沿線地域の活性化に貢献しているという。ローカル鉄道と最先端デジタル技術のゲームのコラボは、なぜ実現したのか。

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京阪電鉄中之島線「なにわ橋駅」のコンコースに「アートエリアB1」という、産・学・NPOによる協創コミュニティーがある。ここで11月20日から22年2月27日に「鉄道芸術祭」が開催される。鉄道芸術祭のプレイベントで、筆者が鉄道芸術祭に参加するアーティストに向けて話した、駅の面白さを紹介する。

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京阪電鉄の中之島線「なにわ橋」の改札外コンコース「アートエリアB1」は、駅構内の遊休空間の興味深い事例だ。京阪電鉄、大阪大学、NPO法人ダンスボックスが共同で運営。改札口の隣。大阪の中心部にアーチストや学識経験者が集う、なにやら面白そうな場所ができた。多才な人々が集まり、新しいコトが起こるかもしれない。

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2025年に大阪、夢洲で「2025年大阪・関西万博」が開催される。政府は主要公共交通機関に大阪メトロ中央線を位置付けた。このほか会場へのアクセスには船とバス、さらに具体化していない鉄道ルートが3つ、近畿日本鉄道の構想もある。また会場内の交通には、3種類のモビリティが計画されている。

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JR東海は10月1日より東海道・山陽新幹線「のぞみ」号の7号車を「S Work車両」とし、9月1日より販売を開始した。期間は2022年3月31日まで。ビジネスパーソン向けの指定席として、座席通話、PCの打鍵音などを相互に許容し合う車両となる。ビジネスパーソンへの販促策だが、背景には乗客の多様化がある。

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「週刊文春と週刊新潮が中づり広告を終了する」と8月17日報じられた。電車で中づりで政治や芸能の旬な話題がひと目で分かったものだが、スマートフォンの普及で下を向く人が増えた。確かに大手2社の撤退は転機になるだろう。しかし、中づり広告は廃れるかといえば、そうでもなさそうだ。

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千葉ニュータウンを走る北総鉄道は日本一運賃が高い鉄道の1つ。理由は膨大な建設費が運賃に乗っていたから。しかし6月23日発表の決算には、2022年に累積損失を解消、値下げを検討するとある。値下げされても残念ながら相場より高い運賃が続く懸念がある。そこで筆者が、確実に値下げする方法を考えてみた。

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沖縄県を除く緊急事態宣言解除、新型コロナウイルスワクチン接種の進ちょくを見越して、鉄道旅行ビジネスが活気づいてきた。冷え切った観光需要を「元通り」にするには、「元通り」の商品展開では足りない。そこで「工場夜景ツアー」「観光急行列車」「おみやげ品割引」など、注目の事例を紹介しつつ、今後の新施策に期待したい。

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佐賀県は、九州新幹線西九州ルートに関して開催された国土交通省鉄道局との「幅広い協議」で「フル規格にするなら3ルートを検討してほしい」と意見。その後、与党新幹線プロジェクトでの西九州ルートの検討委員会の報告、JR九州のコメントからは、フル規格の着工が予測されるが、現状、肝心の「建設の合意」ができていない。

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5月15日、西武鉄道はレオライナーこと山口線で「西武園ゆうえんちラッピング電車」の運行を、19日開業の西武園ゆうえんちのアクセスルートとして開始した。観光地と観光アクセス路線は、力を合わせて発展する。ワクチン接種が終わり、観光が再び活性化する前に、観光地とアクセス路線と整備しておきたい。

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有料道路を走る暴走族は、道路会社にとってお客様ですか。これと同様に「悪質撮り鉄」は、他の撮り鉄だけではなく、鉄道趣味、旅行ビジネスに悪い影響を与えている。本来、鉄道事業者が守るべきは「お客様の安全」であり、彼らはそれを脅かす存在だ。毅然とした態度が必要となる。

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西武園ゆうえんちが5月19日、「新しくて古い都市型エンターテイメント」として生まれ変わる。1960年代の商店街を中心に据え、海外から認知度の高い日本発キャラクターを登場させることで、従来の「鉄道沿線遊園地」から「日本型テーマパーク」へ進化を遂げる。しかし、沿線外に訴求するには「あと2つの要素」が必要だ。

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2021年3月25日、奈良県、奈良市、近鉄が「平城宮遺跡内を通過する近鉄奈良線の移設」に合意した。また東京都目黒区自由が丘地区の都市再生計画が始動。改良したい踏切があっても、今までは国土交通大臣の指定を待つしかなかったが、4月1日から「踏切道改良促進法等の一部を改正する法律」が施行され、自治体側から提案できる。

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JR北海道は、SL列車「SL冬の湿原号」を釧路側、「流氷物語号」を網走側と、2つの観光列車を東部で冬に運行している。しかし新型コロナの影響で「あばしりオホーツク流氷まつり」が中止。運行中止の恐れもあった「流氷物語号」の運行を後押ししたのはボランティア団体だった。その活動から、ボランティアの報酬について考える。

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鉄道旅倶楽部が企画した豪華客車「サロンカーなにわ」の貸切ツアーが大成功に終わった。国鉄時代に大阪地区で製造された「サロンカーなにわ」は、お召し列車の実績もあり、乗っておきたいファン憧れの車両だ。「SIT」とは特別な目的に絞った旅を指し、低迷する旅行業界のなかでも堅調で注目されている

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2月13日の地震の影響で東北新幹線が一部運休。JR東日本はすぐに代替手段を準備した。引退間近の185系を臨時快速に使用するシーンも。悪天候の中で運行した「ひたち」では、受験生への配慮が話題になった。10年前の東日本大震災の時のように、責任感や誇りが見えた。

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巣ごもりでプラモデルがブームに。鉄道模型の分野では、走らせる場を提供する「レンタルレイアウト」という業態が増えている。ビジネスとしては、空きビルが出やすい今、さらなる普及の可能性がある。「モノの消費」から「サービスの消費」へのシフトに注目だ。

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2020年11月、「第2青函トンネル」構想の新案が発表された。2階建てで、上階に自動運転車専用道、下階に貨物鉄道用の単線を配置する案だ。鉄道部分は輸送力が足りるか。急勾配も気になる。だが、新トンネルは必要だ。設計の深度化を進めて実現に近づいてほしい。

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鉄道業界で、2020年を“どん底”にして21年を上向きにしていく手掛かりとは? 終電繰り上げは経済に影響を与えるが、再成長に向けて今やるべきことだとも捉えられる。厳しい旅行業界では“趣味性の高い旅”が回復の鍵だ。つらい状況でも前向きなチャレンジを応援したい。

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富士山登山鉄道構想について、運賃収入年間約300億円、運賃は往復1万円という試算が示された。LRTなどが検討されている。現在の富士スバルラインと比べると5倍の運賃はアリなのか。国内外の山岳観光鉄道を見ると、決して高くない。富士山の価値を認識する良いきっかけになる。

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JR九州の新型観光列車「36ぷらす3」に試乗した。観光列車先駆者である同社の新型車両は、車窓を楽しむ列車ではない。窓が小さく、景色を見せられない分、車内でのおもてなしに力を入れている。観光都市間を移動する空間を楽しくする、これまでとは違う列車だ。

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北海道新幹線の函館駅乗り入れ構想に関する資料を入手した。現状、新函館北斗駅を新幹線駅とし、函館駅には直通していない。建設費80億円程度で乗り入れを実現する方法とは? 本州や札幌から新幹線で函館駅に行けるようになれば、経済への波及効果も見込める。

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東急は、アプリを通じて6760人に実施したアンケート結果を発表した。新型コロナの影響で在宅勤務などが広がり、鉄道の需要は低下。しかし、今後も定期券を更新する人は多く、転居しようとする人も少ない。通勤需要は元通りには戻らないが、ある程度回復しそうだ。

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JR東日本がトヨタ自動車などと燃料電池を活用した試験車両の開発で連携する。業種の垣根を越えた取り組みは各社にメリットがある。JR東にとっては、次世代車両として燃料電池電車を選択肢に加え、最終目標のゼロエミッションを目指す一歩となる。

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東急で環境保護などをうたったラッピング車両「SDGsトレイン」が走り始めた。こういった取り組みが鉄道業界でも浸透し始めている。環境に配慮した車両は以前から開発されてきたが、あらためてSDGsを発信する背景には、環境保護を訴える若者などへのメッセージの意図がある。

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JR西日本は夜行観光列車「WEST EXPRESS 銀河」の運行を開始、JR九州も昼行観光列車「36ぷらす3」を運行開始予定だ。それぞれに旅客をひきつける特長がある。価格帯はミッドレンジ。ローエンドの価格の観光列車が多い中、中価格帯の試金石となりそうだ。

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富士山静岡空港を利用した。コンパクトで機能的、FDAという拠点会社があることも強みだ。しかし、アクセス鉄道がない。空港駅はリニア工事問題で引き合いに出された不運もあった。新幹線ありきの計画を見直し、静岡県民のために最も良いルートを検討してもいいのでは。

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第三セクター鉄道40社が参加する「鉄印帳」が好調だ。初版は各社ですぐに完売した。「Go To トラベルキャンペーン」よりも旅人の背中を押す仕掛けだ。鉄道では“集める”イベントが多く、人気も高い。成功する施策は、趣味の本質を捉えている。

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急行電車の混雑、歩きスマホ、エスカレーター歩行の理由は、数分であっても移動時間を無駄だと考える人が多いから。移動時間を短縮の工夫が重ねられてきたが、テレワーク普及によって移動しない選択肢も出てきた。しかし、移動が必要な場面はなくならない。価値が高い仕事や行動にこそ、リニアが必要になる。

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大手企業などがテレワークの本格導入を進める中で、通勤定期代の支給をやめる動きも目立つ。鉄道会社にとっては、通勤定期の割引率引き下げや廃止すら視野に入ってくる。通勤に伴う鉄道需要縮小は以前から予想されていた。通勤しない時代への準備はもう始まっている。

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リニア工事を巡るJR東海社長と静岡県知事によるトップ面談は和やかに終わったが、ヤード工事の認識ですれ違いが生じ、県側は再開を認めなかった。それでも悲観する結果ではない。報道や世論で対立を煽るのではなく、トップ同士が意思確認する場を作れたことをまずは評価しては。

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静岡県庁で行われたJR東海社長と静岡県知事の面談。進行に沿って解説する記事の後編。後半は「工事許可の手続き」と「川勝知事の同意のような返事」に注目すると、和やかに終わった面談後に、知事が「不誠実」と発言した背景も見えてくる。

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リニアの静岡工区に関して、JR東海社長と静岡県知事による面談が行われた。この内容を把握するために、進行に沿ってツッコミを入れていきたい。今回は前編。注目は「静岡工区が悪者にされた」という誤解を解く発言と、東海道新幹線「ひかり」への言及だ。

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JR横須賀線に新型車両のE235系が導入されると話題になっている。横須賀線はもともと軍用路線として建設され、その後、観光に使われる長距離列車、そして通勤電車へと役割が変わっていった。E235系投入は、通勤路線への変化という点で重要な位置付けといえる。

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テレワークの普及で広まったオンライン会議ツール。鉄道各社が相次いで「バーチャル背景」を配布している。外出自粛によって鉄道の存在感が薄れる中、ビジネスパーソン向けコンテンツを発信することで、親しみを持ってもらう狙いがあるようだ。

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3月26日深夜、新潟県のえちごトキめき鉄道で珍しい列車が走った。しなの鉄道向けに新規製造された電車を運ぶ「甲種輸送」だ。線路がつながっていれば、他の鉄道会社の線路を経由して電車を運べる。だが、鉄道ネットワークにはもう一つ大きな役割がある。

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鉄道事業者の新型コロナウイルス対策は「通勤電車での感染予防」と「減便」の2つ。通勤電車の換気のための「窓開け」にも歴史がある。一方、通勤電車とは違って、特急列車を運休するのは乗客の減少に対応するためで、集団感染の危険が高いからではない。

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東海道新幹線の新型車両N700Sの車椅子スペースについて、不満を示した赤羽国交大臣。国交省の基準に従って作った設備に対して“物申す”パフォーマンスは勘弁してほしい。実際、同省では新幹線のバリアフリー対策の議論を深めているところだ。もっと便利にするためには……

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小田急電鉄は、FC町田ゼルビアとコラボした臨時ロマンスカーを運行した。自社開発の歩数アプリ「ARUCLUB」で、サポーターたちが“みんなで1000万歩”を達成したからだ。アプリを通じてスポーツチームとコラボすることで、小田急のファンを広げる面白い取り組みだ。

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東京都練馬区の遊園地「としまえん」が閉園し、跡地は大規模公園、一部にテーマパークができると報じられた。お別れは寂しいが、鉄道会社系遊園地の役割は大きく変わり、これまでにもたくさんの施設が閉園した。その跡地には、時代に合った街ができている。

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2020年を迎えたが、鉄道分野では19年から停滞したままの「宿題」が山積している。リニア中央新幹線の静岡工区、長崎新幹線の佐賀県内区間、そして過去の災害で被害を受けた路線の復旧……。20年はこれらの問題解決に向けた動きが進むことを期待したい。

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「北斗星」の保存を目的としたクラウドファンディングに参加したが、現地を訪れて、車両の傷みが進んだ姿にガッカリした。だが、今後に期待できる事業も動き出した。車両保存はゴールではない。維持補修作業のスタートだ。将来を見据えたプロジェクトでないといけない。

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2020年3月、富山市内の2つの路面電車が接続し、相互直通運転を開始する。さらに2社が合併することで、運賃は実質値下げとなる。この“英断”から富山の公共交通の歴史を探ると、90年前に生まれた「一県一市街化」構想が、現代の「MaaS」に通じることが分かる。

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台風19号で被災した北陸新幹線は、多くの職員の復旧作業により全線直通運転を再開した。今回の被害は誰にも予測できなかった。しかし、過去には新幹線車両を待避させて水害から守った事例がある。「1967年鳥飼車両基地の伝説」だ。経験に学ぶことが必要ではないか。

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JR東日本の「びゅうプラザ終了」報道で「高齢者が困る」という声が上がっている。しかし、そのほとんどが当事者による発言ではない。“非実在高齢者”像を作り上げているだけではないか。実際には、旅行商品や乗車券を手にする手段もサポートもたくさんある。

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サザコーヒーと木内酒造が路線バスを使った商品輸送を始めた。その背景に貨客混載の規制緩和があり、全国的に貨客混載の事例が誕生している。地方鉄道にもチャンスがありそうだ。国鉄時代の「チッキ便」を、新たな枠組みで再出発させる契機になるかもしれない。

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JR北海道が東急電鉄の豪華観光列車を運行すると報じられた。“異例”の取り組みがどうなるか注目だ。「観光列車大国」の日本には127もの観光列車があるが、まだ空白地帯もある。そこに商機があるかもしれない。観光列車の「分布図」を作ってみると……

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先進交通の分野で「MaaS」という言葉が話題になっている。自動車業界で語られることが多いが、鉄道とも深い関係がある。「利用者主体の移動サービス」の実現のために、鉄道こそ重要な基軸になるからだ。「ドアtoドア」のサービスを提供するために、鉄道はどうあるべきか。

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2018年も全国各地の列車に乗った。観光列車には「つくる手間」をかけることの価値を感じ、新幹線では「ひかり」の良さをあらためて実感、新型の特急列車には期待感を持った。19年も乗りたい列車がめじろ押し。どんな発見があるだろうか。

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首都圏に住む人々は新潟県十日町市に借りがある。かつてJR東日本が「事件」を起こしたが、7年前には電力不足を救ってくれた。できれば観光に行こう。暮らしを支えてくれる地域に感謝して訪ねる「サンクス・ツーリズム」を提案したい。

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新線計画がにぎやかな大阪近辺で、国土交通省が事業採算性の調査結果を発表した。なにわ筋線の開業を踏まえた接続路線については良好。ただし、伊丹空港と阪急宝塚線を結ぶ路線は40年間で黒字転換する見通しが立たないという。国内線航空利用者にはガッカリする結果となった。

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広島県のJR可部線が延伸開業してから1周年を迎え、記念行事として「終着駅サミット」が開催された。終着駅が持つ魅力と役割を再認識し、終着駅を生かしたまちづくり、沿線の活性化を考えるという趣旨だ。情緒だけでは維持できない。維持するためにまちづくりが必要。それは日本の地方鉄道の縮図でもある。

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山陽新幹線で異臭を発した「のぞみ34号」について、東海道新幹線名古屋駅で台車に傷が見つかった。JR西日本の危機認識、川崎重工の製造工程のミス、そして、日本車輌製台車からも傷が見つかった。それぞれ改善すべき問題があるけれども、もう1つ重大な問題が見過ごされている。「納品検査」だ。

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JR北海道は、当初の予定だった現駅案を頑固に否定し続けた。主な理由は「在来線の運行に支障が出る」「プラットホームの広さを確保したい」としてきた。しかし、真の理由は他にある。「エキナカ、エキシタショップの売り上げが減る」だ。JR北海道の10年間の副業を守るために、新幹線駅は未来永劫、不便な駅になろうとしている。

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岡山県でバスなどを運行する両備グループは、ドル箱路線に格安バスの参入を認めようとする国交省中国運輸局の決定に抗議して、赤字運行のバス路線31本を廃止すると発表した。その大胆な戦術に驚くけれども、その直後に参入を決定した中国運輸局もすごい。まるで「テロには屈しない」という姿勢そのものだ。

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「企業として、需要があるところに供給する。そういう当たり前のことを、鉄道事業者はやってこなかったのではないか」。つい先日、ある第三セクター鉄道の社長さんに聞いた言葉だ。小林一三イズムが落ち着き、人口が減少傾向にある中で、鉄道の営業努力が試される。2018年は、そんな時代になると思う。

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このところ電気自動車の分野で「全固体電池」が話題になっている。リチウムイオン電池より扱いやすく、大容量。高出力。充電も早く良いことばかり。ぜひ鉄道分野でも採用していただきたい。非電化区間だけではなく、電化区間も蓄電池電車にした方がいい。

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三宮駅を終点とし、神戸高速鉄道に直通する阪急神戸本線と、三宮駅を経由し西陣ニュータウンと新神戸駅を結ぶ神戸市営地下鉄西神・山手線の直通計画が再浮上した。2004年に阪急が持ちかけ、神戸市が渋った構想だ。しかし今回は神戸市長が阪急に秋波を送る。阪急HD社長も前向きで、実現の可能性が高まった。

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JR九州の株式上場からもうすぐ1年。上場準備中に熊本地震に見舞われ、上場後も豪雨災害や台風被害により不通区間が増えている。民間企業となったJR九州は、全ての路線を復旧するつもりはなさそうだ。災害は地域に鉄道の存在価値を突き付ける。もし鉄道の存在意義が観光誘客だというなら、鉄道「事業」にこだわる必要はないかもしれない。

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京都丹後鉄道を擁するWILLERと日本海沿岸の新潟市、敦賀市、舞鶴市、豊岡市は「日本海縦断観光ルート・プロジェクト」を発表した。豊かな観光資産を持つ地域が連携し、従来の拠点往復ではない「回遊の旅」を提案する。成功の条件は「移動手段の楽しさ」だ。交通事業者にとって大きなチャンスである。

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小田急ロマンスカーの60周年を記念して、横浜駅から徒歩数分の原鉄道模型博物館で特別展「小田急ロマンスカー物語」が始まった。流線型に展望車、子どもたちの憧れだったロマンスカー。その功績は小田急電鉄の業績向上にとどまらず、世界の高速鉄道誕生のきっかけをもたらした。

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国内の優れた鉄道旅行商品を表彰する「鉄旅オブザイヤー」で、今年も一般部門の募集が始まった。「賞金5万円、ただし表彰式は自腹で来てね」というホノボノしたイベントだけど、旅好きを自認するならチャレンジしよう。審査員の1人として応援と期待を申し上げたい。

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東京都が実施した「時差Biz」キャンペーンを覚えているだろうか。通年キャンペーンだと思ったら、7月11日から2週間のキャンペーンだった。「満員電車を解消するために、2週間の早朝通勤を試してみませんか」という話だ。このキャンペーンで、都民は満員電車から解放されただろうか。

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長崎新幹線(九州新幹線西九州ルート)の混迷が続く。JR九州はフリーゲージトレインの導入困難を公式の場で表明した。未完成の技術をアテにしたうえ、線路の距離に応じて地元負担額を決めるという枠組みが足かせになっている。実はこれ、長崎新幹線だけではなく、鉄道路線の建設・維持に共通する問題だ。

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「電車の色を変えて」「JR北海道を救って」「あっちの路線ばかり優遇するな」「不採算路線の切り離しを」――これらは鉄道会社の株主の発言だ。株主は会社に投資し、利益の分配を期待する。しかし、株主の中には、利益を生まない改善を要求する提案もある。鉄道会社と株主の関係はどうなっているか。そして今後どうあるべきか。

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開業90周年、ロマンスカー・SE就役60周年と記念行事が続く小田急電鉄について、「新社長の指示で保存車両を全て解体するらしい」という怪文書が出回った。正確には一部解体にとどまり、将来の博物館建設につながる話でもあった。ほっとする半面、この騒ぎから読み取っておきたいことがある。

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2011年の豪雨災害で不通となっているJR只見線について、JR東日本と福島県が鉄道を復旧して存続させることで合意した。同じころ、16年の熊本地震で被災した南阿蘇鉄道について、政府が復旧費の97.5%を支援する意向と報じられた。復旧決定まで、只見線は6年、南阿蘇鉄道は1年。鉄道復旧に時間がかかる理由は、政府に鉄道専門の財源がないからだ。

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6月17日、JR西日本の「トワイライトエクスプレス瑞風」が運行を開始する。JR3社のクルーズトレインが出そろったことで、日本の鉄道旅が新たな高みに到達したといえる。いまや“観光列車”が鉄道業界と旅行業界のキーワードだが、そもそも観光列車とは何か。ビジネスとして語る上で、そろそろ情報の整理と定義が必要だ。

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梅雨入りを控えて、ということだろうか。阪急電鉄と相模鉄道が、乗客の忘れ物に関するプレスリリースを出した。阪急電鉄は傘の保管期間を短縮するという告知、相模鉄道は2016年度の忘れ物件数が過去最多になったという報告だった。持ち主は忘れていても、忘れ物を預かる側はいろいろ手間がかかる。

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出版不況と電子地図の普及によって、紙の地図には向かい風が吹いている。しかし、日本の鉄道路線図を1枚に収めた『全国鉄道旅行』が毎年1万部以上と堅調な売れ行きだ。正縮尺ではないデフォルメ地図に、一定のファンが付いている。実は筆者もそのひとりだ。

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JR北海道の新十津川駅で、地元有志が鉄道ファン向けにきっぷを販売した。JR北海道から正式に購入し、「ガチャガチャ」などと呼ばれるカプセルトイの自販機できっぷを販売するというユニークな手法で話題になったが、JR北海道から中止を求められた。これは観光ビジネスにとって教訓になりそうな事例だ。

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新幹線開業などの大きな目玉がないせいか、今週末のJRグループダイヤ改正は大きく報じられない。しかし、鉄道ファンや交通問題に関心のある人には注目の案件がある。広島県の可部線が延伸する。たった1.6キロメートルとはいえ、事実上の廃線復活だ。JR発足30周年の年に、JRとしては初の事例ができた。

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日米首脳会談で高速鉄道が話題になったという。しかし「日本の高速鉄道技術をトランプ大統領も認めた」「日本の経済・技術協力によって、米国大陸に新幹線やリニアの路線網が築かれる」という展開にはならないかもしれない。米国ではベンチャー企業による「ハイパーループ」が実用化に向かっている。

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今年3月から4月にかけて、全国で6つの駅が開業する。共通点は「請願駅」だ。地元の自治体が鉄道会社に働きかけ、費用負担を条件に駅を設置する。鉄道会社にとっては受け身な方法と言える。もっと積極的に、戦略的に駅を設置しても良いと思う。

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赤字の鉄道路線の存続問題を議論するとき「鉄道は他の交通モードに対して不公平な立場にある」という意見がしばしば見受けられる。JR北海道問題もそうだし、かつて国鉄の赤字が問題になったときも「鉄道の不公平」が取りざたされた。なぜ鉄道は不公平か。どうしてそうなったか。

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北陸新幹線延伸区間は「小浜京都ルート」にまとまるだろう。しかし、滋賀県は費用対効果に優れた「米原ルート」を譲らない。北陸地域も近畿地域も望まない「米原駅乗り換え案」は、実は滋賀県にもメリットがない。それでも滋賀県は主張しなくてはいけない。これは「我田引鉄」という単純な話ではない。

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JR大阪駅周辺の新線計画が進ちょくしている。大阪駅の北側に北梅田駅(仮称)を作り、新大阪駅発着の特急を停車させる。さらにJR難波と南海難波新駅を結ぶ「なにわ筋線」構想が絡む。おおさか東線の新大阪駅延伸も組み合わせると、新たな環状ルートができる。

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JR西日本が三江線の廃止を決定した。「明日は我が身」と近隣の木次線沿線は危機感を抱く。木次線開業100周年実行委員会が行事を準備する一方、新たなプロジェクトが始まった。お客さんも、鉄道会社も、地域の人々も笑顔にする。「木次線があって良かった」と世界の人々に喜んでもらうため、新しい観光列車へ向けた取り組みだ。

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東京・築地市場の豊洲移転問題が取りざたされている。豊洲新市場の土壌汚染の疑いや設計手順、築地市場の老朽化とアスベスト問題が争点になっているようだ。ここでは、物流面から市場移転問題を考えてみたい。もしかしたら、豊洲新市場は近い将来に役目が変わるかもしれない。

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旅行会社を対象に優秀な鉄道旅行企画を表彰する「鉄旅オブザイヤー」は、今年度から一般部門「ベストアマチュア賞」を創設した。応募条件は「JRデスティネーションキャンペーンをからめた旅行企画」だ。このJRデスティネーションキャンペーンは地域観光に絶大な効果があるのだが……。

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鉄道ファンならずとも、JR北海道の行く末を案じる人は多いだろう。安全を錦の御旗とし、資金不足を理由に不採算路線を切り離す。それは企業行動として正しい。そして再生へ向けて動き出そうというときに台風・豪雨被害に遭った。暗い話しか出てこないけれど、今こそ夢のある話をしたい。

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10月14日の「鉄道の日」に前後して、全国の鉄道会社で車両基地公開イベントなどが開催される。鉄道ファンや子どもたちが大好きな電車を間近で見る機会だ。しかし鉄道施設は職場であり、遊園地ではない。楽しいだけではなく、鉄道の危険と安全についても学んでほしい。

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今年3月、最高裁でJR東海が敗訴した。認知症患者による人身事故について、家族への損害賠償請求が認められなかった。恐らくこの事例がきっかけとなって、鉄道会社向けの人身事故損失に対する保険商品を発売された。しかし、改めてJR東海の裁判の意図を推し量ると、この保険は空回りしそうな気がする。

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2006年から検討されていた大阪市の地下鉄事業民営化について、ようやく実現のめどが立った。大阪市営地下鉄は2003年度に黒字転換し、2010年に累積欠損金を解消した優良事業だ。利益を生む事業なら市営のままでも良さそうだ。大阪市が民営化を目指した理由とは……?

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JR北海道が今秋に向けて「鉄道維持困難路線」を選定する中、夕張市が先手を打った。市内唯一の鉄道路線「石勝線夕張支線」の廃止提案だ。鉄道維持を唱える人々は「鉄道がない地域は衰退する」「バス転換しても容易に廃止される」という。夕張市の選択はその「常識」を疑うきっかけになる。

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東京都知事選挙で小池百合子氏が圧勝した。小池氏が選挙運動中に発した「満員電車をなくす、具体的には2階建てにするとか」が鉄道ファンから失笑された。JR東日本は215系という総2階建て電車を運行しているけれど、過酷な通勤需要に耐えられる仕様ではない。しかし小池氏の言う2階建てはもっと奇抜な案だ。そして実現性が低く期待できない。

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自動車の自動運転技術が進化している。先日の自動運転車の死亡事故は残念だけど、技術だけではなく、法整備や倫理観へ議論を進めるきっかけとなった。ところで、鉄道の自動運転を振り返ると、半世紀以上の歴史があるにもかかわらず関連法では「特例扱い」のままだ。鉄道の自動運転は、長年にわたって築かれた安全技術の上に成立しているからだ。

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JR九州が東京証券取引所に上場を申請した。鉄道部門は赤字のまま。しかし副業のマンションやホテル、飲食店が好調だ。阪急電鉄や東急電鉄の成功以来、鉄道会社は副業とセットで成長してきた。しかしその形態は変化している。小林一三モデルではない、新たな相乗効果を模索する時代になった。

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JR東海が東海道新幹線向けに新型電車「N700S」を発表した。最高速度は変わらず、最新技術は省エネルギーと安全性と乗り心地に振り向けられた。さらにN700Sには新たな使命として「標準化車両」というキーワードを与えられている。高品質な車両を国内外問わず提供するという。しかし本音は「東海道新幹線の変化に対応し、その価値を維持する」ではないか。

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JR北海道が「北海道新幹線の札幌駅は在来線に隣接できない」と言い出した。既定路線の撤回であり、乗り換えの利便性も低下する。札幌市と建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が反発している。JR北海道の言い分「在来線の運行に支障がある」、これは本当だろうか。駅の線路配線図とダイヤから検証してみよう。

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鳥取県の若桜鉄道で2016年5月から車内販売が始まった。山陰地方で唯一の車内販売だという。全国的に車内販売は縮小傾向にある中で、地方のローカル線やJR東日本の首都圏のグリーン車で車内販売を実施している。車内販売の廃止と開始、その違いは付帯サービスか付加価値か、という考え方の違いでもある。

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JR東日本がクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」の運行概要を発表した。同期デビューの「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」、運行中の「ななつ星in九州」と合わせて、「クルーズトレイン御三家」が出そろった。お互いにライバル、そして海外の観光列車との競争になる。

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東京と札幌を結ぶ寝台特急「カシオペア」が早くも復活する。2016年3月、北海道新幹線の開業を理由に廃止された列車が、なぜ北海道新幹線開業後に復活できたか。その背景を考察すると、北海道新幹線の弱点「東京〜新函館北斗間、4時間の壁」も克服できそうだ。

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北海道新幹線がらみのビジネスの話題をお伝えしたかったけれど、私の情報力不足のせいかネタが少ない。そこで、今回は鉄道ビジネスの慣例を1つ紹介しよう。鉄道業界で古くから行われている「物々交換」だ。鉄道会社同士で「ある取引」を精算するとき、資金を移動させない方法がある。

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北陸新幹線延伸ルートの年内確定に向けた動きが活発になっている。2013年に与党検討委員会は3つのルートに絞り込んだ。しかし2015年8月にJR西日本から小浜・京都ルート、11月に与党検討委員長からは舞鶴・京都・関空ルートが示された。絞り込むどころか選択肢が増えている。ただし、このうち国益に沿うルートは1つしかない。

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全国各地で観光列車が続々と誕生している。しかし運行路線は都会から離れたところばかり。もっと乗客を見込めそうな路線、例えば、山手線や大阪環状線、地下鉄で走らせたら成功するはずだ。しかし、こうした「一等地路線」に観光列車は適していない。その理由もレジャー産業の定石が教えてくれる。

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東日本大震災で被災した三陸沿岸の大船渡線、気仙沼線について、大船渡市長がBRTの本復旧を了承した。沿線市町村がBRT受け入れ容認という空気感の中で、大船渡市の踏み込んだ判断が決定打となる。両路線の鉄道復活は消えた。鉄道のない町という選択、厳しい未来への挑戦が始まる。

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2011年の豪雨被害で不通になっている只見線について、福島県と地元自治体が「運行再開後の赤字、年間3億円を補てんする意向」と福島民報が報じた。鉄道を維持する利用者が見込めないと分かっていながら、それでも鉄道を残したい。その悲痛な思いはJR東日本と国に届くだろうか。

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南海電鉄は11月21日から、特急ラピート「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」号を運行している。元になった車両は関空特急ラピート専用車「50000系」だ。鉄道車両としては異形のデザインに驚かれたかたも多いだろう。この電車は、20年前に登場し、鉄道車両のデザインに転機をもたらした革命児だ。

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明治5年に開業した日本の鉄道は、軌間(レールの間隔)を1067ミリメートルとした。しかし欧米の標準軌間は1435ミリメートルだ。狭軌の日本の鉄道は、速度も輸送力も欧米に劣った。そして今、日本も標準軌の新幹線で海外へ勝負に出た。ただ、これは諸刃の剣かもしれない。

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JR東海は2014年度から超電導リニアの体験試乗会を開催している。たいそうな競争率のようで、何度か応募しつつも落選したけれど、この夏、やっと当選したので乗ってみた。意外にも新鮮な感動はなかった。新幹線と同じ乗り心地。ただし、それが時速500キロメートルで走行中ということを忘れてはいけない。

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過疎地域における鉄道の存在理由に「通院と通学」が挙げられる。鉄道はバスと違って定時性があり、同時に多くの人を運べる。しかし視点を変えると、この問題を解消すれば鉄道もバスも不要となる。選挙権取得年齢も下がることだし、次は運転免許年齢を下げたらどうだろう。

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アニメ大好きな西武鉄道が、また新しいプロジェクトを立ち上げた。しかし今回は主役ではなく参加者側。「銀河鉄道999 現実化プロジェクト」という大きな枠組みの中で、鉄道現業部門として参画する。夢は大きく広がるけれど、原作ファンとしては心配なところもある。

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6月30日、東京発新大阪行「のぞみ225号」の1号車で男が焼身自殺を図って死亡した。巻き込まれた女性が死亡。20人以上が重軽傷。一部報道では東京オリンピックの防犯に言及し「新幹線のテロ対策の必要性」「荷物検査」を論じている。しかしこれは過剰な反応だ。悪意を持つ者はどんな対策もすり抜ける。

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世の中には「楽しい仕事」と「つまらない仕事」がある。いや、そうではない。どんな仕事でも「楽しくできる人」と「辛いけど我慢する人」がいる。仕事なんてつまらなくて当たり前、という考え方もあるけれど、楽しいほうがいいに決まってる。どうすれば楽しくなるか、どうすれば辛さを軽減できるか。

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業務上、世間の常識とはちょっと違うルールがある。それは運輸業だけに限らず、さまざまな業界に多少はつきものだ。ただし、それが「今までそうだったから」で続いているとしたら、再検証が必要だ。あなたの会社にも、理由が曖昧なまま続いている「悪しき慣習」があるかもしれない。

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地方鉄道にとって、観光誘客は重要だ。最近の流行は内装にこだわり、食事を提供する観光列車だ。鉄道ファン向けの運転体験イベントなどもある。もっと欲張って、異分野からの誘客を考えてみたい。今回はマラソンの世界を学び、地方鉄道との親和性を探った。

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10月14日は「鉄道の日」。これにちなみ、毎年10月ごろになるとさまざまな鉄道会社が車両基地見学会を開催する。懐かしの車両が登場したり、保守車両を見学できたり、車両のつり上げを見られたり……鉄道好き、メカ好きなら間違いなく楽しめるこのイベントの攻略法を、写真多めでお伝えしよう。

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大震災に襲われた街が復興するまで、どれくらいの時間が必要なのだろう? 震災のニュースは、時間の経過とともに扱いが小さくなり、1年も経てば人々が思い出すことも少なくなる。しかしその程度で街は回復しない。被災地では1年以上経っても、震災は続くのだ……。

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東北新幹線新青森駅延伸まであと少し、青森県周辺は盛り上がっているようだ。でも、新幹線の延伸には心配事もついてくる。竜飛海底駅見学の終了が今後予想されるからだ。今回は、去就が心配な寝台特急「あけぼの」、特急「白鳥」を乗り継いで、青函トンネル内の「竜飛海底駅」を目指した。

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JR東日本の「新幹線&鉄道博物館きっぷ」は、東京都区内から大宮までの新幹線と鉄道博物館駅までの埼玉新交通ニューシャトルに乗れて、鉄道博物館の入場券がセットになったユニークなきっぷ。東京駅から鉄道博物館が始まってしまったような楽しい企画なのだ。

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日本の鉄道に全部乗りたいと願う“乗り鉄”の筆者だが、イマイチ楽しさが分からないのが、車窓が真っ暗な地下鉄。地下鉄の楽しさとは何なのか? その答えを、名古屋の地下鉄で探してみた。

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「週末ヒマだなぁ……」というあなたに、ぜひオススメしたいのが羽田空港だ。なぜなら、羽田空港は東京でも屈指の、隠れたエンターテインメントスポットだから。浜松町と羽田空港を結ぶ東京モノレールなら、飛行機に乗らなくても、東京湾岸の“遊覧飛行”が楽しめる。

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