誰にも相手にされないと、人はお化けになるディルバート(188)

» 2010年09月17日 12時00分 公開
[スコット・アダムス,@IT]

私のプロジェクトの進ちょくの件ですが、どうも私は死んでお化けになってしまったようです


死んだ記憶はないんです。でも、私の突然死にははっきりした証拠があるんですよ


この1週間、誰も電話を返してくれないし、電子メールにも誰も返事をくれない


書類を印刷しようと思えば、エラーメッセージしか出てこない


現にいまもあなた方は、自分のケータイを見たり、書類を読んだりしていますよね。まるで誰にも話し掛けられていないみたいに。


もうこうなったら、生身の人間を通り抜けて、“お化け説”を証明してみせますよ


ボム!


良い知らせだよドッグバート。どうやら、ボクは生きているみたいだよ。でも、人に存在を意識してもらえるだけの価値はないみたいだ

テレビ見てんだから黙ってろ


  


 私も人に話し掛けているのに、相手が携帯電話の画面を眺めていたり、書類を読んだりしていると、ホントに不快な気持ちになります。ディルバートも悲しいでしょうね。その気持ち、よく分かりますよ。

 今回のボスたちは「のれんに腕押し」「馬の耳に念仏」といった状態ですが、これらに近い意味を表す慣用句として“water off a duck's back”という言い回しがあります。「アヒルの背中を流れる水」のように何も聞いていない、というわけですね。例えば、「彼に悪い癖を止めろと何度言っても、馬の耳に念仏なんだよ」と言うときには、“no matter how many times I tell him to quit that bad habit, it's water off a duck's back”と表現します。

 ドッグバートのセリフ、“I'm trying to watch a show”は、直訳すると「(テレビの)番組を見ようとしている」となりますが、この言い回しには「だから、私の邪魔をしないで」という意味が込められていることがポイントです。日本語でも「せっかく見ようとしてたのに……」などと言いますから、このニュアンスは理解しやすいですよね。職場でおしゃべりしている連中に静かにしてもらいたいときにも、“I'm trying to work here"=「ちょっと、ここで仕事してるんだよ」などと言ったりします。

 それにしても今回のディルバート、ボスとウォーリーに無視されたうえ、ドックバートにまで一蹴されて……ちょっとかわいそうですね。

[翻訳・解説:Yvonne Chang]


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