“セクシーなパワポ”は窓際への片道切符ディルバート(184)

» 2010年08月20日 12時00分 公開
[スコット・アダムス,@IT]

君のプロジェクトをうちの部署があずかることになって良かったよ、ロナルド


君のプロジェクトは派手だ!セクシーだ!


でも予想収益が屁みたいなもんだから、資金を投入する価値がない


なので、何か状況が変わるまで、君はこの“忘却の箱”にいるように


顧客や役員が来たら、君を箱から出して彼らに会わせる


君は何かの役に立っている夢を見ながら、派手でイカしたパワポを披露できるってわけだ


そうして一生懸命働けば、いつか君のことは完全に忘れてもらえるよ


正直だと人を悲しませるって知ってた?


  


 今回のボスは、皮肉たっぷりというより、何だかちょっと残酷な感じもしますね。悪魔の人事部長、キャットバートにはこの種の悲しみは理解できないでしょうが……。

 “Limbo”とは、もともと中世のキリスト教で使われていた言葉で「天国と地獄の境界」を意味します。「洗礼を受けないと地獄に落ちる」という教えがあった中で、幼くして亡くなった子供など「洗礼を受けずに亡くなったために天国に入れなかった善良な人たちが行くところ」と考えられていました。そうしたことから、「宙ぶらりんな状態」「どっちつかずの状態」のことを“be in a state of limbo”と表現することがあります。このほか“Limbo”には「忘れられている」「無視されている」という意味もあります。

 “sexy-flashy powerpoint”と言っていますが、もちろんこの“sexy”は「性的な魅力がある」という意味ではなく、「派手」「目を引く」「ウケる」という意味合いで使われています。例えば「おい、おまえイカした新車を手に入れたな」と言う場合には、“Hey, that's a sexy new car you have”と表現します。でも、たとえ見た目が“sexy”でも、肝心の中身が伴っていないと、人だろうが車だろうがロナルドような扱いを受けてしまいがちですよね。皆さんも気を付けましょう。

[翻訳・解説:Yvonne Chang]


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