ボスは大腸で判断を下すディルバート(179)

» 2010年07月16日 12時00分 公開
[スコット・アダムス,@IT]

良いリーダーとは、判断を下す際にプロセスを使う


これ、ボクが言ってもいい?

行け

頼んだわよ


質問。判断を下すことが「プロセス」に過ぎないなら、どうしてコンピュータにはそれができないんですか?


ときには自分の胸に聞いて、直感に頼らなきゃいけないからさ


内臓のどの部分がお利口なんですか? 胃の内壁ですか? それとも大腸かな?


私は直感の話をしてるんだ。これは言葉では言い表しようのない、リーダーとしての資質だ


その“言葉では説明できないもの”って、迷信みたいなものですか?

それともデタラメか?


とにかくプロセスなんだってば!

大腸がそう言ってるの?


  


 ボスの“リーダー論”、見事におちょくられちゃいましたね。 ディルバートの指摘もなかなか鋭いですが、それに対して“gut”なんていう言葉を持ち出しちゃったのが今回の敗因ですね。

 “Gut”は本来、「内臓」とか「はらわた」のことを意味します。ではなぜ「直感」という意味もあるのかと言うと、英語圏の人たちにとって、直感は“腸などの内臓で感知するもの”という感覚があるらしいんですね。それに由来して「直感」を表す際には、“gut”あるいは“gut feeling”と言うようです。

 ただ、こうしたことを知らないと、「内臓のどの部分がお利口なの?」というディルバートのセリフのおかしみが伝わりません。そこで4コマ目のボスのセリフ、“I have to rely on my gut”=「直感に頼らなきゃいけない」に、あえて「胸に聞いて」という、「直感」や「内臓」をイメージさせる言葉を付け加えて、ディルバートのセリフにスムーズにつながるようにしてみたというわけです。

 なお、“gut”には色んな使い方があります。例えば“Spill the guts”は直訳すると「内臓をこぼす」ですから、「すべてを白状する」「すべてをさらけ出す」といった意味になります。例えば“That guy spilled his guts in that letter”は、「あいつ、あの手紙ですべて白状したぞ」と訳します。

 また、“gut”には「勇気」「根性」という意味もあり、実はわれわれも日常的に使っています。そう、「ガッツがある」の「ガッツ」ですね。例えば“He has the guts to challenge the contest again”は、「彼はコンテストに再挑戦するガッツがある」と訳します。それにしても、ここまでからかわれると、ボスが少しかわいそうになってきますね……。

[翻訳・解説:Yvonne Chang]


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