ビジネスは、“新語/造語”を作った者勝ちディルバート(194)

» 2010年10月29日 12時00分 公開
[スコット・アダムス,@IT]

……で、もちろん、随所で進ちょくを評価していきます


“高度評価メソッド”を使うんですか?


(意味が通じればいいんだけどな。廊下で聞いた単語をつなぎ合わせただけだけど)


えっと……ボクが評価して……判断して……えー……


(これには俺も一枚かんどいた方がいいな)


君の“高度評価メソッド”のプランを見るまで、このプロジェクトを支持するわけにはいかんな


分かりました。10分で準備しましょう。それがどのようなものなのか、おそらくボスもご存じではないでしょうし。

よろしい


シャワーを浴びて、心を洗ってみるよ


  


 「高度評価メソッド」と言われると、実際にありそうな感じもしますが、よくよく考えてみると何のことやらさっぱり分かりませんね。単語をうまくつなぎ合わせると、それらしく聞こえてしまうから不思議なもんですな。IT業界によくある“3文字熟語”もこの類……と言ってしまっていいんでしょうか。ディルバート、心を洗ってみたところで、「高度評価メソッド」のプランなんて、やっぱり思いつかないんじゃない?

 5コマ目のボスのセリフ、“I’d better get in on this”は、直訳すると「これに便乗した方が良い」という意味です。これを意訳して「一枚かんどいた方がいいな」としたわけですが、 この「便乗する」という言葉には、その意味合いによって複数の言い回しがあります。

 例えば“jump on the bandwagon”は「有利な時流に便乗する」、すなわち「時流に乗る」といったところでしょうか。“ride on the coattail”は「他人の威厳/権力に便乗する」ですから、日本語では「他人の尻馬に乗る」がしっくり来ますね。“capitalize on the fad”は「流行でもうける」、つまりは「便乗商法」のことです。また「便乗して値上げをする人」を指して“price-gouger”、直訳すると「値段のペテン師」と表現することもあります。

 ちなみに広告業界では「便乗して宣伝する」行為を“ambush marketing”と呼ぶそうです。“ambush”とは「奇襲/待ち伏せ」のことですね。例えば、何らかのスポーツイベントがあり、その公式スポンサーがA社だとしたら、B社はそのイベントを連想させるようなコピーやデザインなどを使って自社製品・サービスを宣伝するわけです。そうして、B社も公式スポンサーであるかのような“消費者の錯覚”を誘うわけですね。スポンサー料を払うことなく、そのスポーツファンのロイヤリティを獲得しようという狙いなのでしょうが、決して褒められたやり方ではありません。まぁ、ボスなら喜んで使いそうな気がしますが。

[翻訳・解説:Yvonne Chang]


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