相手を傷つけずにランチを断る方法ディルバート(207)

» 2011年02月04日 12時00分 公開
[スコット・アダムス,@IT]

ディルバート、君もランチに行かない?


どこに行くの?

まだ決めてない


じゃあ行かない


小さな集団が下らんことを決めようとしてるのを見るなんて耐えられないんだ


人類を信じられなくなる


絶望したときの食事はまずいもんさ


なので、ボクは自動販売機で何か買って、「同僚は有能だ」という幻想でも見ることにするよ


さてと……非現実的な世界観に合う食べ物って何だ?


  


 今回は皮肉屋、ディルバートの真骨頂という感じですが、「たかがランチの店を決めるだけなのに、集団でグズグズしなきゃならないのは苦手」というディルバートの気持ちも分からなくはないですね。共感する方も結構多いのでは?

 “trivial”は「ささいな」「取るに足りない」という意味の形容詞です。名詞だと“trivia”となります。数年前まで、この名詞を冠したテレビの人気番組もありましたから、これが「雑学」という意味であることをご存じの方も多いかもしれませんね。

 ちなみに“trivia”の語源はご存じですか? “trivia”のうち“tri”は数字の「3」、“via”は「道」を表すことから、本来的には「三差路」を意味するのですが、これにあるエピソードが加わって現在の意味に転じるのです。そのエピソードとは、中世のヨーロッパでのこと。当時、ヨーロッパの大学では基礎教養科目7科目のうち、「文法/修辞/論理」の3科目は、その他の4科目に比べて、あまり学ぶ意義がないと考えられていました。そして前述の「三差路」と同様の理屈で、“trivium”は「3科目」を意味します。つまり、それらの「3科目=“trivium”は学んでもあまり意味がない」と思われていたことから、“trivia”=「無駄」「雑学」という意味になったのだそうです。面白いですね。

 それにしても、集団で食事に行くのが面倒なとき、確かにこのある意味“壮大な”言い訳なら誰も傷つけませんし、さほど気まずい思いもせずに済みそうです。でも、だからといって、あまりにそっけなくしていると、そのうちドックバートくらいにしか相手にしてもらえなくなっちゃいますよ、ディルバート。

[翻訳・解説:Yvonne Chang]


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