「仕事の先」より「上司の欲」を読む方が大切ディルバート(216)

» 2011年04月15日 12時00分 公開
[スコット・アダムス,@IT]

おまえはもっと先を見越して行動しなきゃいかん


ボクがすでに計画していることを、ボスがいちいちボクに言わなければ、先を見越しているように見えますよ


おまえが四六時中、何を計画しているかなんて、どう推測しろっていうんだ


じゃあ、何か思いつくたびにメールしますよ

そんなもの読んでるヒマはない!


おそらく、ボスのタイムマネジメントがマズいせいで、ボクが先を見越せていないように見えるんでしょうね


失礼ですが、ボスをタイムマネジメント講習に登録させてもらいますよ


そんなことするな!

じゃあ……先を見越して行動しない方が良いですか?


望むことをワシが思いつく前に、ワシが望むことをすればいいんだ!

次に望むことが皮肉だといいんですが


  


 これは前回の続きですね。当たり前のことをいちいち指示してくるボスに、ディルバートもよっぽど嫌気が差したのでしょう。今回はディルバートが見事にボスを言いくるめていますね。

 “proactive”は「先を見越した」「先回りした(行動)」という意味の他、「積極的に」という意味もあります。例えば“proactive action”は「積極的な行動」、“proactive measures”は「未然防止策」と訳します。「積極的」と「未然」、どちらの訳語を使うにしても「先を見越した」「先回りした」という意味合いになることがポイントです。

 “take the liberty of”は、直訳すると「自ら自由を取る」となるところから、「勝手ながら」「おこがましくも」「失礼ながら」といった意味になります。“相手の許可を得ずに取った行動”を相手に伝えるときによく使う表現ですね。例えば、知人と待ち合わせして会えなかったとき、知人の自宅に電話をするような場合があります。そんなとき、知人に会えた際に“I took the liberty to call your family”=「勝手ながら、ご家族に連絡させてもらいました」と言ったりするわけです。

 それにしても、ボス自身がまだ自覚していない欲求を推測して実行しろだなんて……無茶苦茶ですね。そのくせ自分にとって都合の悪いことは先回りされるのを嫌がるんですからね。でもこういう上司、結構いそうです。

[翻訳・解説:Yvonne Chang]


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