一つの遅れが全プロジェクトの納期を遅らせるディルバート(221)

» 2011年06月03日 12時00分 公開
[スコット・アダムス,@IT]

――座席番号459540でメルトダウン発生!――


テッドだな。彼はT.W.L.に達したようだ

彼の何に達したですって?


「理論的作業負荷限度」。平たく言えば、彼の脳みそがパンクした


この現象は、担当プロジェクトの期限が過ぎた途端に始まる


まず「なぜ期限内にできなかったのか」に対する言い訳を考えることだけに全時間を費やしてしまう


そうすると、他のプロジェクトも期限が過ぎてしまう。そして全作業が最優先課題になったとき、どの仕事から着手すべきか判断できなくなる


すると、脳みそが変な音を立てて、シャットダウンする

ガクッ


あっ。ボクも締め切り過ぎちゃった

そうやって始まるのさ


  


 アシュック! 周りの雑音に惑わされないで! 「理論的作業負荷限度」を超えても、落ち着いて対処すればきっと大丈夫! なんて、思わずエールを送りたくなりますが、これって多くの人にとって、一度は覚えがあることなのではないでしょうか。

 1コマ目の“Meltdown”は、今はあまり聞きたくない単語ですね。皆さんもご存じの通り、1960年代から使われ始めた「原子炉の溶融」を指す言葉です。ただ、日常会話の中で使う場合は、原子炉がどうかを問わず、「全てが崩壊してしまう状況」を指すときに使うことが多いですね。例えば“It’s a total meltdown”=「全てが終わったな……」 といった具合です。

 この表現は、“the stock market meltdown”=「株式市場の暴落」といった形で、経済分野の記事でもよく使われますね。通貨危機などの際には、“Central banks moved to support the dollar to prevent a global meltdown”=「中央銀行は世界通貨危機を防ぐためにドル買いに走った」といった表現も見られました。ただ昨今は、世界中がこの単語に敏感になっているでしょうから、当面は不用意に使わない方がいいのではないでしょうか。

 それにしても今回の内容は何だか身につまされますね。もしかしたら、皆さんの中には、まさに今「T.W.L」に達しつつある方もいらっしゃるのかもしれません。そんなときは脳みそが“落ちる”前に、過去記事でも読んでまずはリラックスしてください。

[翻訳・解説:Yvonne Chang]


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