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大して働いていないのに、たくさん給料をもらってる上司に道楽をひけらかされて、素直に楽しめる部下なんてまずいないと思いますが、この空気を読めないところが、いかにもボスですな。
“Boat”を使った熟語や慣用句は、水回りのことに限らず数多くあります。例えば、日常生活でよく使う表現で、「物事を荒立てる」ことを“rock the boat”と表現します。 “His comments rocked the boat”=「彼の発言は物議を醸した」といった具合です。「チャンスを逃す」ことも“miss the boat”と言い、“He missed the boat on improving relations with our partner company”=「協力会社との関係改善の機会を逃したな」というように使います。
また、数年前には“Nice boat”という、ちょっと面白い俗語が登場しましたよね。 インターネットの掲示板などで、話の流れを変えたいときなどに使う一種の慣用句ですが、皆さんはご存じでしょうか。これは日本の人気アニメの最終回が局の都合で放送中止になり、アニメの差し替えとして、船が浮かぶ風景の画像が流されていた際、誰かが不意にネット上に書き込んだ言葉ですね。視聴者の不満が爆発して大騒ぎになっている中で、こののんきな一言が笑いを誘い、その後しばらくネット上で使うのがはやったそうです。
でも日本で生まれた言葉なので、海外で使っても、相手がよほどのアニメ好きでない限り、このような意味ではまず通じないでしょうね。国内でも使える場は限られるのではないでしょうか。そう考えると、今回のボスのように何かを自慢するときも、流行語を使うときも、空気を読む力ってやっぱり大切なんですねぇ。
[翻訳・解説:Yvonne Chang]
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