法律違反を防ぐために、わいろを着服ディルバート(196)

» 2010年11月12日 12時00分 公開
[スコット・アダムス,@IT]

このままじゃ、エルボニアのプロジェクトを逃してしまうぞ。あの泥大臣に何か手みやげを渡さんと……

注:「エルボニア」はディルバートワールドの架空の国。旧ソビエトの一部という設定で、共産主義が崩壊し、国全体がなぜか泥にまみれている極貧国なのだそうです

わいろって意味ですか?

いや、わいろは違法だ


金塊を入れた袋をエルボニアに持って行って、猿神“オバヌーバ”の像のそばに置け


“オバヌーバ”がおまえの捧げものを受け入れなければ、エルボニアの法律によって、それは所有者が居ない未請求資産となる


その金塊を泥省庁の未請求資産課に持って行くんだ


ベルを鳴らして泥大臣を呼んでもらえ。そして、未請求資産とわれわれの入札額の写しを渡せ


もし猿神が金を受け取って、その目撃者がボクだけだったらどうするんです?


なんだと?

いや、気にしないで下さい……“猿神金”はどのくらい持っていきましょうか?


  


 ウォーリーの魂胆丸見えですが、そんな仕事をウォーリーに託そうとしているボスもボスですよね。でも贈る予定だったわいろを着服すると、ウォーリーは会社のコンプライアンス違反を未然に防ぐことになるんでしょうか。まぁウォーリーには何か別の罪が適用されるのかもしれませんが……。

 日本では、お役人に何か特別に便宜を図ってもらいたいとき、着物のたもとに金品を入れていたことを受けて、「わいろ」のことを「袖の下」などと呼びますが、英語では“money under the table”=「机の下のお金」と言います。いずれも“人目に付かないように金品をわたす所作”に由来する表現となっている点が面白いですね。そのほか、「わいろで便宜を図ってくれる人」のことは“a venal man”、「わいろで人を抱き込む」ことを“juiced in”と表現するなど、さまざまな慣用句があります。

 なお、「わいろ」を表す“bribery”という単語がありますが、これには「贈わい」と「収わい」、両方の意味があります。よって、厳密に区別したい場合には“offer bribe”=「贈わい」、“accept bribe”=「収わい」というように行為を表す動詞とともに使ってください。まぁ普通の社会生活を送っている限り、そんな話をする機会はめったにないとは思いますが……。

[翻訳・解説:Yvonne Chang]


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