実際に使ってみると分かるが、日本語版Cortanaはまだ実装がスタートしたばかりの“ひな形”に近い状態で、今後のさらなる改良が必要だ。未実装な機能もさることながら、音声入力の精度やフレーズの構文解釈でいろいろ課題がある。
英語ではそれほど発音がよくなくても単語が比較的正確に認識されるが、日本語では文字の正確な発音だけでなく、文節の区切りをうまく認識できず、おかしな文章になってしまうことが多い。また「発音した音声を正確に漢字変換」するという問題もある。ある程度は構文解釈時に修正可能だとみられるが、単語検索やカレンダーへの入力など、音声のみで思った通りの漢字を入力するのはなかなか骨の折れる作業だ。
英語の場合、より正確に構文解釈させるために「口調ではなく、より正確でリッチな表現を用いる」ようMicrosoftではアドバイスしている。現状の日本語版ではフレーズを長くすればするほど変換精度が落ちてしまうため、当面は単語区切りでなるべくフレーズを短めにCortanaに話しかけるのが、(意図した通りの)正確な入力を実現するためのコツかもしれない。
また、できることは少ない一方で、カレンダーのイベント入力など特定用途ではかなり使い勝手がいいとも感じた。「(クライアントとの会食)をカレンダーに追加」と話かけた後、「開始時間は20時」「開始時間を20時30分に変更」といったように次々と話かけるだけで予定の追加や修正が簡単に行えるため、対話型インタフェースのメリットをある程度感じることができた。
今後は日本語版で対応可能な処理やアプリも増えてくるとみられるため、より使い勝手は高まっていくだろう。
Microsoftによれば、現在の日本語版Cortanaは機能が限定されているだけでなく、音声も製品版での提供とは異なるものになっていると説明している。一方で、ユーザーからフィードバックを得ることで今後Cortanaも次々と進化していき、さまざまな機能に対応し、認識精度も向上することが期待できるという。実際に利用し、Microsoftへと意見を出していくことが製品改良における最良の道ということだ。
Cortanaの進化の足跡は今後も公式ブログ(Japan Windows Blog)で報告されていくとみられるため、興味ある方はぜひ適時チェックして、Cortanaの改良に協力してみてほしい。
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