従来まで、WindowsにおけるOfficeはデスクトップアプリケーションであり、後からデスクトップアプリケーションを追加できないWindows RTではプリインストールの形で提供されるなど、Officeはタッチ操作やタブレットの利用をあまり想定した作りにはなっていなかった。
一応「タブレットモード」の名称で、モードを切り替えれば、ボタンの配置間隔が広がってタップ操作が行いやすくなる仕組みが直近の「Office 2013」には導入されていたものの、やはり細かい操作は難しく、Office for iPad/Android Tabletのようなアプリの登場が望まれていた。
米Microsoftでは2月4日(現地時間)、「Universal Office apps for Windows 10」の提供を開始した。いわゆるModern UIに対応したOfficeアプリであり、Windows 10をインストールしたPCだけでなく、タブレットからスマートフォン、(必要があるかはともかく)ゲーム機まで、幅広いデバイスで動作する。
ただし、このタイミングで提供されているのは「Preview」版であり、実際の製品版は2015年後半の提供となっている。おそらくはWindows 10のリリースとほぼ同じタイミングでの登場であり、アプリ自体は無償提供になるとみられる。iOS版やAndroid版アプリと同様に、そのままでも機能限定でOfficeが利用でき、Office 365サブスクリプションを組み合わせることで、フル機能や商用利用が可能になる仕組みだと予想する。
Previewの形で利用できるのはWord、Excel、PowerPointの3つのアプリで、Windows Insider Programを通じて「Windows 10 Technical Preview」を導入しているユーザーであれば、Windows Store Beta(ストアアプリは2種類あるので注意)経由でダウンロード可能だ。
ただし、筆者が試してみたところ、一発では検索候補には出てこなかったため、その場合は直にリンクからストアのアプリページを呼び出したほうがいいだろう。「Word Preview」「Excel Preview」「PowerPoint Preview」のそれぞれのリンクをIEで開くと、ストアの当該ページへとリダイレクトされるので、ここからインストールできる。
仕組みとしてはOffice for iPad/Android Tabletに近く、MicrosoftアカウントやOffice 365アカウントとの連携が基本になっている。機能もデスクトップ版に比べると限定的で、この辺りもスマートフォン/タブレット向けに提供されているアプリと同様だ。
筆者が触れた範囲での注意点は、日本語が問題なく表示できる一方で、MS-IME経由での日本語入力が行えなかったことだ。あくまでPreview版ということで、現時点では割り切るしかないかもしれない。
このほか、Windows 10にはUniversal Officeアプリだけでなく、「Office 2016」というデスクトップアプリケーション版Officeの提供が発表されている。詳細については今後数カ月内に説明するとしているが、登場時期は2015年後半を見込んでおり、こちらもおそらくUniversal Officeアプリ同様に、Windows 10登場からほとんど間を置かずして提供が開始されるとみられる。
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